工学部生の生プレス

*就職して元工学部生になりました

大学院入試 専門内容 線形代数

【院試対策】線形代数②(非同次連立1次方程式)

投稿日:2019年8月27日 更新日:

こんにちは~

前回の予告通り、今回は“非同次連立1次方程式”の解の求め方について記事にしていきたいと思います。

それでは~

シュワッチ!


 

2回:【院試対策】線形代数②(非同次連立1次方程式)

第2回は“非同次連立1次方程式”についてです。
前回、紹介した“同時連立1次方程式”は“=0”という形をしていましたが、今回の非同次連立1次方程式はそうではありません。
でも、逆に言うとそこしか違いがないので同次連立1次方程式の解き方が分かっていれば、すんなり内容が入ってくると思います。
それでは、例題を使って理解していきましょう!
第1回:【院試対策】線形代数①(同次連立1次方程式)

“非同時連立1次方程式”も僕の大学では頻出の問題となっています。

<例題>
以下の連立1次方程式を解け。
\begin{cases}
x – y – 6z + w + 2v = 4 & \\
2x – y – z – 2w + 3v = 5 & \\
3x – y + 4z – 5w + 6v = 6
\end{cases}

<解法>
STEP1:非同次連立1次方程式ではまず、拡大係数行列を立てます。
\[
A = \left(
\begin{array}{ccccc|c}
1 & -1 & -6 & 1 & 2 & 4\\
2 & -1 & -1 & -2 & 3 & 5\\
3 & -1 & 4 & -5 & 6 & 6
\end{array}
\right)
\]

STEP2:行同士を足し引きして、簡単な形にします。
①1行目×(-2)+2行目
\[
\left(
\begin{array}{ccccc|c}
1 & -1 & -6 & 1 & 2 & 4\\
0 & 1 & 11 & -4 & -1 & -3\\
3 & -1 & 4 & -5 & 6 & 6
\end{array}
\right)
\]

②1行目×(-3)+3行目
\[
\left(
\begin{array}{ccccc|c}
1 & -1 & -6 & 1 & 2 & 4\\
0 & 1 & 11 & -4 & -1 & -3\\
0 & 2 & 22 & -8 & 0 & -6
\end{array}
\right)
\]

③3行目÷2
\[
\left(
\begin{array}{ccccc|c}
1 & -1 & -6 & 1 & 2 & 4\\
0 & 1 & 11 & -4 & -1 & -3\\
0 & 1 & 11 & -4 & 0 & -3
\end{array}
\right)
\]

④3行目ー2行目
\[
\left(
\begin{array}{ccccc|c}
1 & -1 & -6 & 1 & 2 & 4\\
0 & 1 & 11 & -4 & -1 & -3\\
0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0
\end{array}
\right)
\]

⑤1行目+2行目
\[
\left(
\begin{array}{ccccc|c}
1 & 0 & 5 & -3 & 1 & 1\\
0 & 1 & 11 & -4 & -1 & -3\\
0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0
\end{array}
\right)
\]

⑥1行目ー3行目
\[
\left(
\begin{array}{ccccc|c}
1 & 0 & 5 & -3 & 0 & 1\\
0 & 1 & 11 & -4 & -1 & -3\\
0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0
\end{array}
\right)
\]

⑦2行目+3行目
\[
\left(
\begin{array}{ccccc|c}
1 & 0 & 5 & -3 & 0 & 1\\
0 & 1 & 11 & -4 & 0 & -3\\
0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0
\end{array}
\right)
\]

STEP3:状況整理
\[
\left(
\begin{array}{ccccc}
1 & 0 & 5 & -3 & 0 \\
0 & 1 & 11 & -4 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 1
\end{array}
\right)
\left(
\begin{array}{ccc}
x \\
y \\
z \\
w \\
v
\end{array}
\right)
=
\left(
\begin{array}{ccc}
1 \\
-3 \\
0
\end{array}
\right)
\]

STEP4:方程式の形に直す
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x + 5z – 3w = 1 \\
y + 11z – 4w = -3 \\
v = 0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

STEP5:終了♪
\begin{eqnarray}
z = k_1,w = k_2(任意の定数)とすると、
\end{eqnarray}
\[
P = k_1\left(
\begin{array}{ccc}
-5 \\
-11 \\
1 \\
0 \\
0
\end{array}
\right)
+ k_2\left(
\begin{array}{ccc}
3 \\
4 \\
0 \\
1 \\
0
\end{array}
\right)
+\left(
\begin{array}{ccc}
1 \\
-3 \\
0 \\
0 \\
0
\end{array}
\right)
\]


 

いかがでしたでしょうか?

この数式を書くのが中々時間がかかるので1問しか紹介できませんでしたが、上の例題で示した解法が非同時連立1次方程式の基本的な解の求め方となります。

次回は“行列の和積”について紹介いたします。

お楽しみに♪

▲▲▲アリガ島▲▲▲

次回予告
「【院試対策】線形代数③(行列の和積)」







-大学院入試, 専門内容, 線形代数

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【製作日誌】ほぼ自動ドリンクサーバーを自作~メカ編~

こんばんは。 久しぶりの投稿になってましたw(1年ぶりくらいw) 今回は「ほぼ自動ドリンクサーバー」というものを自作していきたいと思います。 ドリンクサーバー(ドリンクディスペンサー)っていうのはお酒 …

「圧縮」についてガチで考える

こんにちは~ 普段、何かを圧縮する機会って結構ありますよね! 空き缶をつぶしたり、ゴミ箱🚮の中にごみを押し込んだり・・・。 後はベンチに座っていて体重でベンチが壊れてしまわないか心配に …

Arduinoを使ってぶつからない車を自作~2代目~

こんばんは。 今回は「Arduinoを使ってぶつからない車を自作~2代目~」ということで前回、惜しくもぶつかってしまった車を改良した記事です。 サーボモーター固定用のパーツを3Dプリンタで何度も作り直 …

超音波距離センサを使った効率のいい小型扇風機

こんばんは。 突然ですが、僕はある日ふと思いました。           「扇風機って近くにいる時はいいけど、離れたら風が届かなくなるから無駄じゃない …

アナログローパス・フィルタとデジタルローパス・フィルタの比較

こんばんは。 今回は“アナログローパス・フィルタとデジタルローパス・フィルタの比較”ということで、回路で作ったアナログローパス・フィルタとプログラムで作ったデジタルローパス・フィルタの性能を比較してみ …