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専門内容

軸を設計してみよう!

投稿日:2018年6月14日 更新日:

こんにちは~

突然ですが、普段生活している中で”軸”ってよく見るじゃないですか~。

鉄棒、掛け軸、信号機の信号を支えている軸、車のシャフト、モーターの軸とか・・・。

モーターに至っては電気系と機械系を結び付ける非常に重要な部品であることを考えれば、”軸”なしでは今の世の中は成り立たないと言っても過言ではないと思います。

という事で、今回はその軸をどのようにして機械系の人が設計するのかについて書いていきます。

*内容は僕が理解している内容なので、正確性は保証できませんm(_ _)mゴメン

①軸の設計で大事なこと
軸の設計では”静的な場合””動的な場合(”回転動力”が伝えられる場合)”の2パターンがあります。
そして、そのどちらにおいても重要なのは”せん断応力””ねじり角”です。
*”せん断応力”は簡単に言うとある物体の面に対して平行な方向に働く圧力のことで、”捻じり角”は捻じった分の角度のことです。
まず、静的なトルクがかかっている時の軸を図1に示します。
(1)静的な場合
       図1.静的なトルクがかかっているときの軸

ここで、ℓ:軸の長さ[m],r:軸の中心からの距離[m],d:軸の直径[m],T:トルク[N・m]です。トルクとはモーメント[N・m]とほぼ同じ意味です。
この時、以下の式(1)、(2)が成り立っています。

ここで、τ:せん断応力[N/m^2],Ip:断面2次極モーメント[m^4],Φ:捻じり角[rad],G:せん断弾性係数[-]です。
*断面2次極モーメントとせん断弾性係数とは試験片によって異なる値なので、ここでは定数と思ってもらっていいです。

そして、軸の設計の際には上の式(1)、(2)が以下のようになっている必要があります。
せん断応力が最大になる時は式(1)より、r=d/2であるので、
が静的なトルクが加わる時の軸設計の条件になります。

(2)動的な場合(”回転動力”が伝えられる場合)
”動的”っていう事は普通のトルクとは扱いが変わります。
”動力”というものが関係してくるのです、
ちなみに、動力とは・・・

のことで、H:動力[W/s],T:トルク[N・m],ω:角速度[rad/s]です。
つまり、静的な場合と違って速度のパラメータが追加されたことになります。
なので、上の式より動的な場合のトルクTは静的な場合とは違うもの(式(3))になります。
ここで、n:回転数[rpm],H:動力[W/s]です。
このトルクTを静的なトルクを加えた時と同様に、式(1)、(2)に代入すると、
という回転動力が伝えられたときの設計条件が求まります。

以上の(1)、(2)を時と場合によって使い分けると理論的には基本的な軸の設計は出来ます。
現場ではまた、違ったやり方が採用されているのかもしれませんが・・・

 

いかがでしたでしょうか?

今回の説明が少しでも参考になれば嬉しいです!

まあ、自分で軸を設計するという機会はなかなか来るものではないと思いますが・・・

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

次回予告
「未定」







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